『聴くInside BuildIt』第91回は、特別ゲストとして株式会社ダイジョーブCEOの山田智恵さんをお迎えし、山田さんが取り組んでおられる「振り返り」メソッドについてお話を聞いていきます。ふりかえり・リフレクションを日常に取り入れていきたい方や、より効果的な「振り返り」のやり方を知りたいという方にお聴きいただきたい内容です。
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[富田] こんにちは!株式会社ビルディットの富田です。
[佐々木] アシスタントの佐々木まなみです。よろしくお願いいたします!さて、今回の聞くInsidBuildItは、ゲストをこの後お迎えします!
[富田] そうなんですよ。(ゲストをお迎えするのは)久しぶりなんですけれどもね。佐々木さんと番組始めてからは初めてですよね。
[佐々木] そうです、初めてですね。
[富田] それではご紹介させていただきます。後ほど本編でまた改めてご紹介したいと思いますけれども、本日は山田智恵さんをゲストとしてお招きしております。
どういった方かと言いますと、「ミーニングノート」という本を出されてる方で、元々ご縁を作っていただいたのは佐々木さんですよね。
[佐々木] 実はそうなんです。私がイベントの企画やファシリテーションなどの副業もやっていまして。とある女性のキャリア支援企業さんでイベントを開催した時にですね、山田さんをゲストにお迎えしたっていう経緯があります。
そこで山田さんと一緒にイベント開催して、 大盛況に終わりました。本当に大人気のイベントになったんですが、そこから山田さんにまた登壇いただきたいなっていう想いがあって最近ご連絡取ったところ、つい先日またイベントを開催しまして(笑)。
[富田] そうなんですね。また最近も開催されてるんですね。
[佐々木] はい。そういったような繋がりで、山田さんがまさに「ミーニングノート」で振り返りをテーマに事業をやってらっしゃるということで、そういえば、富田さんのアプリも振り返りをテーマにされてらっしゃる。これはもう繋がずにはいられない。みたいな風に私は思ってしまいました。
[富田] ありがとうございます!こんな形でこんな一緒に番組できるだなんて、大変光栄なことです!
[佐々木] いやいや本当にお2人のフットワークの軽さがあってこそ、今回実現したのかなと思っておりますので。私もこうやって良いインストリーが生まれて、ご紹介してよかったな嬉しいなと思っております。
それでは間もなくゲストの山田さんをご紹介しようと思っております!
それでは、タイトルコールまいりましょう。
━━ 聴くInsideBuildIt ━━
この番組は、1人1人の成長が世界をより良くするシステム開発会社の株式会社ビルディットが、 会社での取り組みや経営についてお話ししています。
[佐々木] はい、今日は先ほどもお伝えしたように、ゲストをお迎えしています。
山田智恵さんです!どうぞよろしくお願いします。
[株式会社ダイジョーブ CEO山田智恵さん(以下、敬称略)]よろしくお願いします!
[富田] よろしくお願いします!
[山田] ありがとうございます。楽しみにしていました!
[富田] 私もです。ありがとうございます!
[佐々木]ということで山田さんにお越しいただきました。ぜひ山田さんから自己紹介としてどんなことされてらっしゃるかなどお伺いできますか。
[山田] はい、山田智恵といいます。株式会社ダイジョーブという会社を立ち上げて、「ミーニング・ノート」という、毎日3つチャンスを記録して、 それを1週間単位、1か月単位で振り返っていくというノートのメソッドを作ったんですけれども、それを企業や大学で教えて、振り返りを習慣化するところをサポートする仕事をしております。
[佐々木] 「ミーニング・ノート」というキーワードがありましたが、そのミーニング・ノートについてもっと具体的に伺えますか。
[山田] 毎日自分の生活の中から、「チャンスかな」と思ったことを3つ探して、記録していくんですね。
どういうものがチャンスなのかっていうのを探しやすくするために、私は「3種類のチャンス」がありますとお伝えしているんですが、まずは「キラキラチャンス」、 これは多くの人がイメージするチャンスで、いわゆる特別で、心がポジティブに大きく動くチャンスをキラキラチャンスと言っています。
実はこれだけがチャンスではなくて、もう2つあります。
そっちがすごく実は重要で、2つ目が、「わらしべチャンス」と呼んでいて、ポジティブに心が動くんですがささやかなものです。
わらしべ長者から名前をとっているんですけれども、誰にでも起きるようなことですね。例えば、本読んで感動したとか、友達にちょっとイベント誘われたとか、いつでも誰にでも起きるから、これがチャンスだと気づきにくい。これがわらしべチャンスです。
もう1つが「スパイシーチャンス」で、これは嫌な出来事です。心がネガティブに動く出来事。でも、ピンチはチャンスという言葉があるように、そこから人生が軌道修正されたり、新しい世界の扉が開いたりする大事なチャンスなんです。
この3種類のチャンスについて、これが今日のチャンスかなと思ったことを記録していきます。
それを1週間書き溜めると、3個のチャンスを1週間分で21個、ずらっと並んでいきます。それを振り返って、自分自身がどういう1週間だったのかっていうのを言葉にしていくんですね。で、これを続けていくと、自分のことをすごく深く理解できる、どういう人間なのかっていうのが理解できるようになって、自分がどういう方向に進みたいのか、進む道が見えてくるという、そういうノートのやり方になっています。
[佐々木] キラキラチャンス、わらしべチャンス、スパイシーチャンスということで、ネーミングも本当に面白いなと思ったんですが、富田さんはどうですか?
[富田] 私はこの本を読んだ時に、クリエイティブだなと思いました。
また改めてご紹介しますが、私たちが作ってる振り返りのアプリ「Stockr(ストッカー)」の中でも、 まず出来事をチャンスやきっかけと捉えるという考え方はしています。
ただチャンスって言われたら、やっぱりキラキラチャンスのことを考えますよね。特別なものを。そして今日はそんな特別なことはありませんでしたと考えてしまう。
そうではなく、わらしべチャンスやスパイシーチャンスっていうものもあり、本の中では必ずあるものとして探しに行こうと。
その3つをちゃんと探しに行くんだと言っておられて、 なるほど、こういった形で毎日の振り返りに1つのフレームワークというか、ルールをつけて取り組んでいくってやり方があるんだなと、そこにいたく感激して、クリエイティブだなと思いました。
[山田] ありがとうございます。!
[佐々木] 確かにそうですね。ざっくり振り返りと言っても、どんなこと書いたらいいのかなって悩んじゃう部分があるっていうのは、富田さんとも前にお話したと思うんですけど、それを山田さんはこういったチャンスっていう言い方で捉えて書くっていうのは、私もすごくわかりやすいなと思いました。
そして、その後に何かこういいことが待ってそうだなという予感を感じるネーミングがほんと素敵だなって思いました。
[富田] 山田さんにぜひお聞きしてみたかったのが、なんでこの振り返りっていうものに着目したり、 こういった活動を始めて、始めるだけならまだしも、そのやり方を体系付けてみんなに広めようと考えた、その辺りの経緯だったり、山田さんが考えられたことについて、伺えますか。
[山田] 元々は誰かに教えようと思って始めたノートではなくてですね、自分自身がちょっと人生が崖っぷちになるような出来事がきっかけでした。 私は父が会社を経営していて、私は社長の娘としてですね、ゆるふわに生きていた時代があったんですね。
精神的にも経済的にも自立せずにすねかじりで生きていられた時代があったんですけれども、当時、リーマンショックの影響で父の会社が民事再生になってしまって。。会社は残ってはいるんですけれども、社内で当時ごたごたといろんなことが起きて、創業者である父と、私もその会社の一員だったので家族全員、追い出されてしまったんですね。
それで一家全員ある日突然無職になって、お金もなくなってしまい、あの当時まで私は人生を真剣に考えずに生きていたので、これから何の仕事をしようか、どうやってキャリアを築いていこうかって、それまで真剣に考えたことがなかったんですよ。
急にポーンと社会に裸で放り出されたみたいな感じで、どうやってこれから人生生きていこうって考えた時に、 なにかチャンスを見つけ出さないと人生が終わってしまうかもしれないっていう風に精神的にも追い詰められていたんですね。
それでチャンスを探すために、この記録を始めようということから始まったんです。なので最初は誰かに教えようとかっていうのは、一切思わずに始めたノートでした。
[富田] そこから始めて、最初からずっと続けられたんですか。
[山田] ずっとやり続けたんですよ。もうちょっと詳しく話すと、このノートを始める前に、「嬉しいこと日記」というものに出会ったんですね。「スリーグッドシングス」という有名な心理学者の先生が作ったものなんですけれども、毎日3つ嬉しいことを探しましょうと、そういう日記のやり方があるんですよね。で、それを最初にやり始めたんですよね。
ところが当時は絶望している時期で、最初、全く見つからなかったんですね(苦笑)。
当時私は誰とも会いたくなくて、ネットカフェに引きこもったりして、もう、どう生きていいかわからないと、くよくよしていたんです。
そんな生活の中で、嬉しいことなんてないってもう、全然書けないんですよ。書くことといえば、ネットで見たものの話と、お菓子食べた話とかしか書けなかったんですけれども。
でもやっぱり、それを書き続けてると、嫌になってくるんですよね。 なんかもっと他にもあるんじゃないかなって思って、それで探してみたら、 生活の内容自体は全然変わらないのに、ちょっとずつ見つけられるようになったんですよ。
例えば、今梅雨ですけど雨の匂いや葉っぱの匂いとか、そういうのが、なんか嫌いじゃないなって気がついて、 これも嬉しいことじゃんって気が付いたりとか。
あと母が玄関で「行ってらっしゃい」って、私がネットカフェに行くの知らずにですね、笑顔で送り出してくれる。それもすごい嬉しいことだと思ったり。
そんなことに人生で初めて気づいたりとかして、探せば見つかるんだなと。
そんな体験を、嬉しいこと日記ですごく実感したんですね。なので、嬉しいこと日記を3か月やって、次はチャンスをじゃあ探してみようと思って、チャンスに切り替えるんですけど、その前の体験があったから、チャンスも探せばうまくなるだろうと確信を持てたし、実際やはり最初は見つけられないんですけれども、でもこれはトレーニングだと分かっていたので、続けられたっていうのがあるかもしれないです。
[富田] 私たちのStockrというアプリも、なかなか継続することに課題を持たれているユーザーさんも多いんですけれども、 すごく参考になるお話ですね。日々の生活の中に、嬉しいこともチャンスもあるんだよっていうとこですよね。いや、すごくいい話だなと思いました。
[山田] そうなんですよね。そしてチャンスって繋がっていくんですよね。
ミーニング・ノートはここがポイントなんですけど、例えば、私も佐々木さんと別の場所のイベントで出会って、そこですごく素敵な方だな、仲良くさせていただきたいなと思って、私のイベントにも来ていただいたりとかして、で、また最近、久しぶりに再会できてっていう風に、どんどん繋がっていくんですよね。
繋がりに線を引いて追いかけていくと、まさにわらしべ長者なんですけど、最初1本のただのわらしべだったものが、みかんになり、単物になり、って変わっていく。
自分の出来事も変化していくのが見えていくと、面白くなってやめられなくなるというですね、そんな効果もあります。
[富田] いや、めっちゃいい話ですね。ありがとうございます。
ところでこうして本も出されて、いろんなところでセミナーや講演されてる中で、これを実践して良い変化を得たよっていうような、そんな声も山田さんのところにはフィードバックと言いますか、集まってきたりするんですか?
[山田] そうですね。私はオンラインコミュニティをやっていて、実践される方が継続的に困りごとはないかとか、どんないい変化があったのかをみんなでシェアしたりとかしてる場所をつくっているんですけど。
すごく大きい変化がある方も多いんです。仕事を自分が昔から憧れていた仕事にガラッと転職する方もいますし、企業をするっていう方もいますし。
あとは、内面の変化もすごく大事で、以前は自己肯定感が低くて自分のことが好きじゃなかったけれども、今はすごく大好きになりましたとか、そういうのも大きい変化だと思うんですけれども、そういう方もいらっしゃいます。
[富田] 自分のことを大好きになりましたって、めちゃくちゃいいですよね。
[山田] すごく大事ですよね。
[富田] 私たちのStockrのユーザーさんからもですね、うまく振り返りするためにはどんなことに気をつければいいんでしょうか。とか、その振り返りについてですね、ご質問が結構来るんですけれども。おそらく山田さんのミーニング・ノートの方が先に出ていて実践で取り組んでおられる方もいっぱいいらっしゃるかなと思うんですけれども、山田さんはどんなふうにミーニング・ノートを使っていく上でのコツや、チャンスの言語化や、あるいは続けるコツについて、どうお伝えになってるかってお聞きすることできますか。
[山田] そうですね、振り返りやっぱり難しいっていう声はすごく多いんですけど、ミーニング・ノートの場合はやることがきっちり決まっていているんですよね。
3つのチャンスの1週間分、21個の中から大事なトップスリーをまず選ぶという。これだけでも、今、自分が何を大事にしてるのかが、わかるわけですね。
それ自体が振り返りになっていて、あと、さきほど言った繋がりに線を引く、そうすると今、どれが動いてるのかが見えて、次にどんな展開が起きるのか、どんな風に繋がっていくかを想像してもらう。
そのために何ができるだろうって考えたり、自分自身についてや人とのご縁なんかも考えてみる。チャンスが繋がった場合は繋がりについても。この3つの視点で気づいたことを書いてください、というふうに説明しています。
[富田] チャンスの繋がりやご縁なんかの繋がりを書くのは、紙ならではの良さありますね。
今、やっぱり私もちょっと自分のアプリの体験をね、思い起こしながら、ちょっとお聞きしてたんですけれども、そういう書いてきたものを、再構成というんですかね、その繋がりを見出したりだとか、まとめていったりだとかっていうのは、やっぱこの紙ならではの良さもあったりなんかしますよね。
[山田] そうですね。あと何もない白紙の状態で1週間を振り返ろうと思ってもむずかしいですが、1日ごとに記録しておくと素材があることで振り返りしやすいかなという風に思います。
[富田] ありがとうございます。これ、話し始めると多分延々とやってしまうので、多分1回切らないといけないですよね。次回また、先ほど最後の方でちょっと出たんですけど、この紙とアプリの、お互いが持ってる良さだったり違いだったりみたいなところも、お話をお伺いできればと思いますので、あと1回ぜひよろしくお願いいたします。
[山田] はい。よろしくお願いします。
[佐々木]さて、番組を聞いて、ご質問やご感想、お問い合わせがありましたら、番組説明欄に富田さんの会社のURLを記載しております。そちらからぜひお願いいたします。
[富田] はい。この番組は、Spotify、Apple Podcast、AmazonMusic Podcastの各サービスでもお楽しみいただけます。番組を聴いて気に入っていただけた方は、購読やフォローの設定をよろしくお願いします。
[佐々木] ということで、ここまで富田さん、そしてゲストの山田さん、大変ありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。
[山田・富田]
ありがとうございました!
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